ビビラビのグダグダ雑記帳

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【アニメ感想・考察】二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件【コナン】

お久しぶりです。

長らく放置してたブログですが、思うところあったのでアニメの感想やらを書いていこうと思います。

しばらくは名探偵コナン中心になります。

 

今回は2000年1月3日放送のアニメ174話「二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件」について。

 

 

あらすじ(公式サイトより引用)

クイズに応募したコナンたちは、見事豪華クルーザーの旅をゲットする。乗客は他に8人。服部平次と小五郎の先輩の元警視 鮫崎もいた。鮫崎は二十年前の現金強奪事件の主犯・叶才三と同じ名の乗客がいると知り色めき立つ。が、その時、非常用縄ばしごの箱の中から乗客の一人・蟹江らしい焼死体が発見される。

(公式サイトより引用)

 

登場人物(レギュラーメンバーは名前のみ)

 

  • 田照吉(平尾仁)

 乗客。糸目で小太りの男。

 叶才三最後の事件となった銀行強盗事件の犯人の一人。

 

 乗客。細身で落ちくぼんだ眼をした男。

 叶才三最後の事件となった銀行強盗事件の犯人の一人。

 

 乗客。口ひげに恰幅のいい男。

 叶才三最後の事件となった銀行強盗事件の犯人の一人。

 

 乗客。元警視。

 現役時代、叶才三を小五郎ともに追っていた。

 

 乗客。

 叶才三の娘。

 

 乗客。

 叶才三の事件で恋人だった美海を殺害され、それ以来叶を追い続ける。

 

  • 叶才三

 影の計画師と呼ばれていた男。

 20年前の強盗殺人事件の主犯。

 

  • 古川大

 ツアーの主催者。

 正体は鯨井であり、「古川大」という名前は叶才三が自身の名前を横にした名前を記号として用いていたもの。

 

 鮫崎の娘。

 20年前の強盗殺人事件で殺害される。

 

  • 安栄卓也

 アニメのみに登場。アナウンサー。

 時効を迎えた叶才三の事件についての特集番組を担当。

 

整理

導入

→移動・人物紹介

→叶が船内に潜んでいる疑惑が発生、捜索

→0時になり、叶才三最後の事件の時効が成立

→第1の事件発生(旗が発火、船尾で焼死体)

→捜査。コナンと平次の推理が食い違う

→平次、犯人に襲われ海に落下

→再び発砲音

→叶の影におびえる鯨井の取り調べ。その最中に第2の事件発生

→捜査。コナン真相に気づく。

→真相解明

 

特筆点

 今回の特筆点は、ミステリーとしての完成度の高さ。

 真犯人が死んだと見せかけて実は生きている人物、という手法はミステリーの定石の一つですが、今回それは犯人側が用意した筋書きでありミスリード。しかも、その人物が名前を変えて別の人物として行動している、というもっともらしい筋書きにしているのがこの犯人の狡猾なところ。

 「影の計画師」をライバル視するだけあってかなりの策士です。実際、平次もコナンも第1の事件までは誤った推理を導いてしまっていました。

 アニメなので冒頭で登場した強盗団の正体は声ですぐにわかってしまうのですが、あまりその点は問題にならない構成になっています。

 トリックのみならず船上という舞台や、昭和の亡霊という警察小説にみられるような題材も相まって、この作品をコナンで最も好きな作品に挙げているファンも多いです。個人的にも、本格推理小説と比べて遜色ない作品だと思っています。

 

 コナンシリーズとしては、蘭がコナンに「一人にしないで...」と語りかけるシーンがありますが、この時点で蘭はコナンの正体に薄々気づかけていたことがわかります。また、小学生に向けるにはあまりに異質な表情からコナンも自身の正体に蘭が感づいていることを気が付いているようです。

 もっとも、この話自体はコナンの正体がメインとなる話ではないので、後の「命がけの復活」シリーズへ向けて累積していく伏線の一つでしかないのですが。

 ちなみに、和葉登場後の話で平次だけ東京に来ている珍しい話でもあります。しかし、お守りに託した思いという形でしっかり活躍はしているので、和葉の存在が希薄になっているわけではありません。



 さらに余談ですが、アニメのサブタイトルに「○○殺人事件」という形が使われるのはこの話で最後となります。

 

余談(本編)

  • 時効

 叶才三の過去の事件についてすでに時効が成立しているという話が出ています。

 2010年に刑事訴訟法が改正されて殺人事件の時効は撤廃されていますが、放送当時は改正前ですので服部が解説していた通り殺人について刑事の責任は問えません。

 なお、改正時点ですでに時効が成立していた事件に関しては、改正後も遡及適用はされませんので仮に現在リアルタイムで放送されていたとしてもこの点は変わらないということになります。(時効成立が改正後の事件に関しては時効廃止が遡及適用されます)

 民事の時効について、アニメでは民法162条1項が映っていますが、厳密には損害賠償請求権について規定されているのは同法724条です。民法も放送当時から幾度となく改正がされており、本放送は2004年の大幅改正前のものなので、条文が文語体となっているのも印象的ですね。

 

  • ブラッディ・マリー

 ウォッカをベースとし、トマトジュースを用いたカクテル。レストルームで海老名が飲んでいました。カクテル言葉は「私の心は燃えている」「断固として勝つ」。

 磯貝はこのカクテルを飲んでいる海老名を見て、事件当日が恋人の命日であると推測していましたが、この酒自体に弔意の意味はありません。愛しのプリンセス云々のセリフから、カクテルの語源であるメアリ1世を意識しての発言かと思われますが、彼女はどちらかというと悲劇的な死を生み出した側の人間なのですが...

 

 1997年公開の映画。1912年に起こった豪華客船の沈没事故をモチーフとした超有名作で、数々のアカデミー賞を受賞しています。

 冒頭で蘭が夕日に向かって「I'm a king of the world!」と叫んでいるのはこの映画のオマージュ。小五郎(原作ではコナン)の「沈んじまったらどうすんだ?縁起でもねえ...」というのも同映画を意識してのセリフとなります。

 

  • 旧札

 導入部のクイズの答えであり、叶才三とともに作品内での「昭和」の暗示ともいえるキーアイテムでもあります。

 現在の一万円札はご存じ福沢諭吉(2024年頃をめどに渋沢栄一の新札に移行予定)ですが、昭和の一万円札は聖徳太子が印刷されていました。連載時点で既に当時の旧札が印刷停止されてから10年以上たっていますので、記念に保存したりしていなければ手元にない人のほうが多かったのではないでしょうか。

 原作では小五郎が1万円札、蘭が1000円札、コナンが500円札を持っていましたが、さすがに500円札などはほとんどの一般家庭は持っていないと判断されたのかアニメでは全員1万円札に変更されていました。

 ちなみにクイズの回答として他に挙げられていたエリマキトカゲルービックキューブ、ラッパズボンはいずれも昭和に大ブレイクしたアイテム。ルービックキューブなんかは再流行したこともあるので平成生まれの方でも見たことある人はいるでしょう。

 

  • 方言

 「なおす」という言葉について、関西では「片づける」の意味で使われるそうです。

 関東やその他の地方では「修理する」の意味で使われますが、「元の状態に戻す」という意味では共通していますね。

 

  • 熱硬直

 熱によって筋肉が収縮し、死体の体勢が変化する現象。熱収縮とも言うそうです。

 火葬中に遺体が動いたなどと言われることがありますが、あの現象も熱硬直によっておこるものです。

 

1年ほど前からYoutubeの公式チャンネルで無料視聴できますので、興味があればぜひ見てください。

www.youtube.com